『第一回美読会《art since 1900》』

勉強会の風景(青木アトリエ)
勉強会の風景(青木アトリエ)

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◆タイトル:「第一回美読会《art since 1900》」◆

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●日時:2012年3月20日(祝火)

 

●場所:〈青木アトリエ〉

 

●参加者:青木、杉村、十河

 

●図書:「Art Since 1900: Modernism, Antimodernism, Postmodernism 」

     (著)Hal Foster、Yve-Alain Bois、Benjamin H.D. Buchloh

 

●参考HP:https://www.a-i-t.net/e-mad/sample-1.php
     勉強会で使用するテキストが中ほどにPDFがあります。

●紹介HP:http://tomkins.exblog.jp/10032521/

 

●内容:・書籍の一章(その一年に起きた美術史)を勉強の範囲とする
    ・各自は当日までにその章が理解できるように予習する
    ・ロジャー・マクドナルドさんが動画で詳しく解説しています。
     ココ→ http://vimeo.com/channels/273187
    ・その章を人数分に分けて輪読形式で読み進める(順番は当日に決定)
    ・みんなで感想を話し合う。
    ・18時以降はアフタートーク(おでんとお酒を飲みながら美術歓談♪)

 

●主催者:杉村順

 

 

 

 

(感想)

 

 最近、外国の方と会う機会が何度があって、ちゃんと英語がしゃべれない自分がもどかしく思っていたので、今回の勉強会は気合いを入れて英語の勉強をしようと一念発起したしだいです。この会では私を含めて三人の参加者でした。少数精鋭ですね。集まっていただいた皆さんには感謝しております。ありがとうございました。しかし、開催したはいいものの勉強会で予定していた範囲の半分しか進まず、しかも、英語の内容も心許ない状態で終わり、のっけからつまずいています。本当に参加していただいたにもかかわらず、準備不足で申し訳ありません。もう少し勉強の進めた方を考えた方が良かったと反省しています。 ともあれ、何事の最初からスムーズにいくことは稀です。右往左往しながらも目標をもって勉強会を楽しみたいとおもいます。当面の目標は「継続」をすることですかね。

 

今回の勉強した内容はウィーン分離派の主要なメンバーであるクリムト、シーレ、ココシュカと同時代に活躍していた精神分析家のフロイトとの関わりを論文では書いていました。はっきりいって私はそれほどこの時代のことについては無知でした。クリムトは金箔(gold-leaf)を使った作家、シーレはすこしエッチな(sexually)な作品を作っている人ぐらいにした思っていませんでしたが、この世紀転換期(turn of the century)は美術だけでなく、科学、政治、経済の価値転換が起こった時代でもあったんですね。この時代のことは美術史的には見落とされがちだけれども、この混乱期における表現のあり方を探求(explore)すれば現在の美術において参考になることがあるのかもしれません。 フロイトなんかも決して幸せな人生をおくっていたわけではなく(最後はナチスに国を追い出される)、幼児期における生に対する欲望の考えを発表したときはかなり批判されたみたいです。美術でも同じですけれども、そうやって新たな価値を生み出していくもんなんですね。そういった考えのもとに1900年に発表したのが「夢判断(the Interpretation of Dreams)です。夢とは判じ物(rebus)であり、壊れた物語のイメージやもがきによって現れた秘密の希望、抑圧することのもがき(注:ここらへんの訳はすこし怪しいです)とされ、その解釈はそのまま、ウィーン分離派のメンバーの描いた作品にも現れています。それは表出と抑圧の間のもがき(a suruggle between expression and repression)です。この美術は精神分析解釈者の立場にたった観察者にあります(?)。でも、フロイト自身は極めて保守的な(conservative)な人で、現代アーティストには警戒していたみたいですけど。

 

 こいった美術の動きはウィーンだけに起こった出来事ではなく、フランスのアールヌーヴォー(art nouveau)やドイツのユーゲントシュティール(youth style)という同じような動きがありましした。それらに共通する言葉は「新しさと若さ(the new and the youthfull)」です。古い価値観からの脱却ということです。当時の古い価値観というのは美術の世界ではこの頃を支配していた新古典主義です。新古典主義というのは、ダヴィッド、アングル何かの作家を代表するように歴史主義的、英雄主義的な表現形式で描いて、そういった画家達が政府公認のサロンを組織していました。しかし、時代も長く経つことによってその表現の形骸化が進み、凝り固まった古い考えのアカデミー達に対する不満が世紀末になった世界的に爆発したということが時代背景としてあります。 とはいうものの、彼らがおこなったアバンギャルド(avant-gardes)な活動は過激なもので、大学の依頼によって制作したクリムトはgrim paintingを提出し結局、大学側に拒否されたり、「殺人者、女の望み」という暴力と情欲の演劇をしたココシュカは学校を追放されたり、誘拐と未成年にたいする不道徳によって摘発されたシーレは24日間に及ぶ拘留と性的な露骨なドローイングを燃やされてしまいました。

 

 このように彼らの世間との闘いは繰り広げられるのでありますが、その彼らを象徴する言葉として、彼らの美術館である分離派館のドームの下に刻んでします。
”TO EACH AGE ITS ART,TO ART ITS FREEDOM”これこそ彼らの「芸術的意志」である。

 

(ここまでで時間終了。)

 

 

 

 勉強会後のお食事会はとても楽しかったです。青木さんが丹誠込めて作っていただいた「おでん」を絶品でした。普段使い慣れていない頭をつかった疲れが癒されました。そのときに話で、「日本の美術状況の悪さ」や「CASの活動主旨について」、「日本で美術活動をすることの難しさ」「海外に移住して作家活動をすること」などを話していろいろ考えさせられました。美術館にいったり、作家の人と話したりするけれども、これほど美術史を勉強したことはないんではないかと思います。いい機会なので、徹底的にこの時代時代ごとのことについて勉強してもいいのかなと思います。美術というのは、ただその作品を見てそのままのことを感じるだけでなく、そういった純粋に鑑賞することを否定するつもりはないけれども、やっぱりどんな作品でも美術史的な文脈というのがあって、その作品を生み出すまでの過程というか、その考えに至った背景というか、そういた表現やコンセプトに繋がる流れを深く知ることで、いま美術において何が必要なのかという問題意識をみんなが共有して、持つことが必要なんではないかと思っています。そういった危機意識(英語を理解するということも含めて)が今回の勉強会の開催の目的になっていたりしています。そういった問題意識をもって、これからも勉強会を続けていくことを決意したしだいです。第二回は4月7日(土)に予定しています。

 

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